三代将軍・家光の眠る「輪王寺大猷院」へ
関東地方に雪が降った次の日に日光へ行ってきました。雪の積もる日光の寺社仏閣を見て、写真に撮りたいという好奇心ですね。特にどこを撮る、というのは決めていなかったので、やはり日光といえば二社一寺。いつもなら東照宮へ行くところですが、今回は輪王寺へ行くことにしました。
輪王寺とは元は日光山全体を統合していた寺院で、中禅寺湖の近くにある寺院までも総称したのが「輪王寺」とされています。まさに日光の中心的な位置づけの寺院。766年に開山されたというとても歴史のある場所ですね。
今回はそのうちの「大猷院(たいゆういん)」へ行ってみることにしました。大猷院とは三代将軍・家光の廟所(お墓)とのこと。祖父・家康を尊敬していた家光は遺言で祖父の近くとなる日光・輪王寺に葬られ、家康の眠る日光東照宮よりも派手にならないように建造されたと言われています。お恥ずかしながらこれまで東照宮にしか行ったことがなかったので、改めて徳川家の歴史を感じながら「大猷院」を巡ります。
雪の日光、大猷院へ足を運ぶ前に神橋へと立ち寄っていました。朱色と白のコントラスト。こういうときだからこそ渡ってみるのも面白い。
音が雪に沈み、静かな大猷院
重要文化財の仁王門をくぐり、境内を歩きます。境内は朝から雪かきをしてくださって、人の通るところは雪も少なくありがたい限りですが、「この先関係者以外立ち入り禁止」のエリアなど一般のルート以外は結構な積もり方。寺院は元々静かな場所ではありますが、積もる雪に足音や話し声が沈んでいって、本当の静寂を感じさせます。凛とした空気と静寂。身が引き締まります。
歩を進めると、石段の上に壮麗な門が見えてきました。この門は「夜叉門」。この先に家光公の霊廟があり、その霊廟を守るために4体の夜叉像が安置されていることから夜叉門と呼ばれています。
夜叉門をくぐると、そこは国宝。大猷院の本殿があります。しかしながら夜叉門の造りの美しさにはため息が出ます。牡丹の花や龍の彫刻の細かさ、そして迫力。圧倒されました。
こちらが輪王寺大猷院の本堂。中は展示室となっていて、家光公着用の鎧などが展示されているとのこと。今回は中に入らずに通過してしまいました。
本堂の周囲を歩いてみます。東照宮より落ち着いた色合いということで金と黒を基調とした色使いがされています。確かに金色ではありますが綺羅びやかさは抑えられ、どこかシックな印象。それでも豪華ではありますが。時の将軍の権力・財力が伺えますね。
こちらの門は「皇嘉門」。竜宮造りという様式で、別名「竜宮門」とも呼ばれています。この門の向こうには家光公の墓所があるとのこと。雪に囲まれ、静かに眠られていることでしょう。
雪が降るとモノクロのような風景になりますが、その中でこの寺社の綺麗な色使いが映えますね。東照宮より地味なものに、とは言うものの、十分に美しい色合い。雪の中他にも観光客の方はいらっしゃいましたが、どうしても独り占めしてみたく思い、人の切れ間に1枚。夜叉門の美しさに惹かれましたね。
寺社仏閣の色が映える、雪の日光
水墨画のような雪の中、建物の色が映える雪の日光。趣深いです。初めての輪王寺は雪の中ともあってとても印象に残りました。雪の日光は寺社仏閣の美しさがさらに引き立てられるようです。この雪の降る季節に来られてよかった。なかなかチャンスは少ないですが、雪と日光の組み合わせでまた写真を撮ってみたいですね。