雪の日光へ
雪の残る日光へ行ってきました。日光へ行く前日は、南岸低気圧の影響で関東も雪が降りました。東京はすぐにみぞれになりましたが、山沿いは終日雪だったとニュースで聞いて「日光に行ったら雪の積もった写真が撮れるかも!」と思い立って向かった次第です。普段は雪と聞くと動きが鈍くなりますが、写真を撮るとなるとアクティブに動けてしまうのが趣味のすごいところといいますか。。
私は東武線沿線に住んでいるので、日光には電車でのアクセスが便利です。浅草-東武日光間は特急「スペーシア」が走っていますが、今回は普通の快速で日光へと向かいます。最寄のターミナル駅である北千住から2時間ちょっと電車に揺られれば、日光に到着です。
初めての雪の日光
東武日光駅に到着しました。駅構内にもしっかり雪が積もっていました。東武日光駅の海抜は538メートル。見てみると10センチ前後の積雪のようです。東京で10センチも積もることはあまりありませんので、これだけでなかなか興奮してしまいます。
「雪の日光を撮るぞ!」と意気込んで来たものの、特にこれと言ったプランは決めていなかったので、まずは歩いて二社一寺の方へと向かいます。駅前の通りはすでに雪かきが終わっていて、歩きやすくなっていました。
雪の中でひときわ目立つ朱色の「神橋」へ
駅から歩いてきて、ようやく日光山の入口へ到着しました。足元を流れる大谷川にかかるおなじみの朱色の「神橋」の上にも雪が積もっています。朱色の橋に白く積もる雪がなんだか幻想的。普段は外から見るだけなのですが、雪の日に日光に来る機会もそうないだろうということで、渡ってみることにしました。
神橋は二荒山神社の建造物のひとつで、室町時代の旅行記にはすでにこの橋について記述が残っているそうです。元々は奈良時代まで遡り、橋の掛った経緯は伝説として残されています。
奈良時代の末に勝道上人が日光山を開くとき、大谷川の急流に行く手を阻まれ神仏に加護を求めた際、深沙王(じんじゃおう)が現れ2匹の蛇を放ち、その背から山菅(やますげ)が生えて橋になったという伝説を持つ神聖な橋。(日光旅ナビより引用)
上のような神秘的な伝承があることもあり、江戸時代に作りなおされてからは神事や将軍が神社にお参りするときなど特別なときにしか渡ることの許されない橋とされるようになりました。1902年の台風で流されてしまった後、1904年に現在の橋が掛けられ、1944年には国の重要文化財に指定されました。
現在は渡るのに300円を受付で払うことになっています。
受付で代金を支払い、いよいよ神橋へ。長さは約30メートル。橋の上にもしっかり雪が積もっていました。安全対策で橋には手すりがついているのですが、この雪なので手すりを掴んでいても滑りそうになってしまいました。
橋の上から見る景色はなかなかいいですね。足元の大谷川の流れと岩場に積もる雪が印象的。
一度渡ってみるのもよい経験
初めて神橋を渡ってみました。橋自体は30メートルほどで、反対側に渡った先は行き止まりで戻るしかありません。これだけ、と言うとこれだけなのですが、一度渡ってみるのも良い経験かな、と個人的には思います。歴史を紐解けば神事や将軍社参のときなど、限られたときに限られた人間のみが渡ることの出来た橋を、数百年の時を越えて自分が渡っているのだ、と思うとなかなかいい体験。
そんなことを思いながら、雪の積もる神橋を渡ってみました。
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