改正酒税法でビールの幅が広がった!
2018年4月10日、サントリーから新作ビール「海の向こうのビアレシピ」が発売されました。名前の通り、海外で楽しまれているビールのスタイルを参考に作られたということで、ベルギーのフルーツビールをイメージした「芳醇カシスのまろやかビール」と、アメリカ・カリフォルニアでビールにオレンジを入れて楽しむというスタイルをもとにした「オレンジピールのさわやかビール」の2種類がリリースされています。
そして今回特筆すべきなのは、2018年の酒税法改正によってビールの定義が変更されたことによって、これまでは発泡酒扱いになるはずだった「海の向こうのビアレシピ」が、「ビール」として発売されたことでしょう。
<ビールの定義とは>
これまでビールとして認められるのは「麦芽の比率が67%以上」「麦芽・ホップ・水の主原料の他に使える副原料は、麦・米・とうもろこし・デンプン等に限る」となっていました。
それが、2018年4月の酒税法改正により「麦芽の比率は50%以上でOK」「副原料も、フルーツとかハーブとかいろいろ使っていいよー」と定義が変更になりました。そのため、フルーツをベースにした「海の向こうのビアレシピ」も、晴れてビールとして定義されるようになったわけです。
新しい酒税法のもとで、新定義のビールをリリースしたのは大手メーカーではサントリーが一番最初ですね。
カシスの酸味が広がる「芳醇カシスのまろやかビール」
それでは、まずは「芳醇カシスのまろやかビール」から飲んでみることにしましょう!缶のラベルはゴールドをベースに、赤い帯にカシスがデザインされています。
原材料には麦芽とホップに加えて「カシス」の文字がありますね。
グラスに注がれたビールはカシスの鮮やかな赤!なかなかビールとしては斬新なカラーです。注いでいるときはほのかにカシスの香りがしました。
さっそく一口飲んでみると、カシスの酸味が口の奥で感じられます。フルーティというほどの香りはなく、不自然な甘みもなくすっきりと飲めるビールです。酸味はしっかりありますが、酸っぱいものが苦手な私も飲めるので、そこまで強くなく、エグくないといったところでしょうか。
苦味も弱めなので、ビールが苦手な方でも飲めそうです。ビターなカシスソーダみたいな感じ?
フルーティでさわやかな「オレンジピールのさわやかビール」
続いては「オレンジピールのさわやかビール」をいただいてみましょう。こちらのラベルはシルバーをベースに、ブルーの帯にオレンジがデザインされています。
カリフォルニアで飲まれているビールスタイルということで、オレンジピールと小麦麦芽を使用したビールを参考にしているのだとか。原材料には麦芽とホップに加えてコリアンダーシードとオレンジピールが名を連ねています。
グラスに注がれたビールは薄めのゴールド。注いだ時の香りはオレンジやヨーグルトを思わせる香り。飲んでみると、飲み口はオレンジや花のような香りを感じさせます。柑橘系の香りが特徴のホップを使っているということで、しっかりとオレンジのような香りを感じました。
なかなかどうして甘みではなくキリッとした後味で、思った以上にビールとして飲めるなぁというのが印象です。小麦麦芽を使っていますが、ヒューガルデンホワイトのようなまったりした感じはないので、フルーティすぎるビールが苦手な私でも飲みやすかったです。
ついに日本でもビールとして扱われる幅が広がって、まずはフルーツ系のビールがラインナップされてきました。サントリーに続いてキリンも「グランドキリン」ブランドからレモンをベースにしたビールやオレンジピールのビールをリリースする予定になっていて、初夏はフルーツの香りを楽しめるビールが面白そうですね。
酒税法の改正でビールとして定義される幅が広がって、ビールの楽しみが増えそうです。
ちなみに余談ですが、今回副原料として認められたのは以下の通り。
・果実・果汁
・コリアンダー
・ビールに香り又は味をつけるもの
┗こしょう、シナモン、クローブ、山椒等の香辛料又はその原料
┗カモミール、セージ、バジル、
レモングラスその他のハーブ
┗かんしょ、かぼちゃその他野菜
┗そば又はごま
┗はちみつ等の含糖質物
食塩又はみそ
┗花又は茶、コーヒー、ココア等
┗かき、こんぶ、わかめ又は
かつお節
ビールに牡蠣!?いったいどんなビールになるんだろう、、、と思っていたらすでに日本でも牡蠣のビールがあるんですね!
かつお節は「よなよなエール」でおなじみのヤッホーブルーイングさんがすでに発表していますし、フルーツのみならず、日本らしいみそやそばを使ったビールが出てくるかもしれませんね!