6月に北海道・函館の街に一人旅してきました。食べ歩きと撮り歩きを目的に函館に行ってきましたが、その中でもぜひ撮ってみたかった「日本三大夜景」のひとつ「函館山からの夜景」を撮りにいってきました。美しい夜景を撮るべく、3本もレンズを持っていってしまいました。3本のレンズを使って函館山からの景色を撮ってみたので、あわせてご覧ください。
- 夜景を見るために函館山に上る
- 函館山ロープウェイで山頂へ
- 展望台から見える函館の美しい街並み!
- 函館山展望台からの夜景は日没30分後が見頃!
- 函館山山頂で夜景を撮る時の注意点
- 「日本三大夜景」函館の夜景は撮る価値あり
夜景を見るために函館山に上る
函館で写真を撮る、といったらやはり外せないのは函館山からの夜景!日本三大夜景と称される函館の夜景を自分のカメラで撮ってみたかったのです。
今回の撮影場所である函館山には、その名の通り山の頂上にある展望台へ上がる必要があります。まずは坂道を上り函館山ロープウェイの山麓駅へ向かいます。
函館山の展望台はロープウェイでしか上れないと思っていたのですが、バスやタクシーというアクセス方法もありました。調べてみると函館山山頂の展望台へのアクセス方法は大きく分けて3つあります。(※ここでは夜景の時間帯のアクセスに限定しています)
函館山山頂へ向かう方法
■その1:函館山ロープウェイで山頂駅へ向かう。
運賃は片道だと中学生以上780円(小学生以下390円)。往復の場合は中学生以上1,280円(小学生以下640円)と少しお安くなっています。
■その2:函館山登山バスで山頂駅へ向かう(※函館山登山道が閉鎖されていない時期のみ)
函館駅前か出発して、途中赤レンガ倉庫などの停留所を通過しながら函館山山頂へ向かいます。料金は中学生以上400円(小学生以下200円)です。
■その3:タクシーで山頂へ向かう(※函館山登山道が閉鎖されていない時期のみ)
また、函館山は夜間の混雑を避けるためにマイカーやレンタカーでの通行・駐車が禁止されています。夜景を見に行くなら公共交通機関かタクシーということになりますね。
4月25日(木)~9月30日(月) 17時~22時
10月1日(火)~冬季閉鎖まで 16時~21時(どちらも2019年度の情報です)
函館山ロープウェイで山頂へ
日没までの時間帯、ロープウェイは15分に1本の間隔で運行しています。山麓駅を出発したロープウェイは、標高334メートルの函館山山頂まで約3分で到着します。短い時間ながら、ロープウェイの中から見える函館市街の景色が気分を高めてくれます。
ロープウェイが上り始めてまず見えるのは元町の教会群。西日に照らされて教会がシルエットになっているのが美しい。
ロープウェイがさらに上っていくと函館湾が眼前に広がってきました。海岸のラインが美しい。キレイな街だなぁ。
私がロープウェイで函館山山頂に向けて出発したのは日没の1時間前。少しずつ西の空が赤く焼けはじめてきていました。
ロープウェイからの眺めを楽しんでいると、あっという間に展望台駅に到着。山頂展望台の屋上を目指して階段を上っていきます。
展望台から見える函館の美しい街並み!
山頂展望台の屋上フロアの展望台にいよいよ到着!眼前に広がる函館の景色に思わずテンションが上がります!!両サイドの海岸線と中心の「くびれ」、そして整った街並み。山・空・海と街。思わずうわぁとためいきが漏れます。
3本のレンズで函館の街を撮ってみる
今回の函館一人旅には、カメラとともに3本のレンズを持ってきました。それぞれ広角、標準の35mm、そして中望遠単焦点の127.5mmという3種類のレンズです。日没、そしてマジックアワーまでまだ少し時間があるので、3本のレンズで函館の街を撮ってみることにしました。
広角レンズ(焦点距離:15mm相当)
まずは広角レンズで函館の街を撮ってみました。35mm換算で15mmから30mmの焦点距離をカバーする広角レンズの広角端で撮影しています。
いつもの感覚でカメラを構えると自分の足元や展望台のフェンスまで写り込んでしまう広さ。気持ち上向きに構えて、空を広く撮ってみました。空と海が広く撮れるので。北海道・函館の広々とした感じが出ているのではないでしょうか。広角で空を撮ると、雲が流れているように撮れるのも好きなんですよね。
今回私が函館山からの撮影で使用したのはこの広角レンズでした。望遠端の30mm相当の焦点距離がちょうどよかった。
標準レンズ(焦点距離:約35mm相当)
続いてはいわゆる標準レンズ。 およそ35mm(正確には36mm)の焦点距離のレンズを使っています。函館の「くびれ」の部分が少しグラマーになりましたね。広角で撮ったくびれはスレンダー。
函館のガイドブックやパンフレットなどで撮影された函館山からの景色はだいたい35mm前後のレンズで撮られている感じなのかな。iPhoneなどスマホのカメラで撮った場合も同じくらいの広さで撮れますね。これぞ函館山からの景色、という感じ。35mmくらいの焦点距離があれば間違いない。
APS-Cサイズのセンサーに24mmのレンズで36mm相当の焦点距離になります。
中望遠レンズ(焦点距離:127.5mm相当)
最後は中望遠の焦点距離に該当する127.5mm相当の焦点距離。函館の街を切り取る感じの撮り方になります。広さはないけど、これはこれで面白いかも。
函館山の足元に建ち並ぶ教会も結構大きく撮れますね。特徴的な形をしている聖ヨハネ教会やハリストス正教会の塔もよく見えます。
こちらは函館駅の方を向いています。カーブを描くプラットフォーム。海岸線を走るともえ大橋や函館港に係留されている青函連絡船記念館「摩周丸」の姿も確認できます。ミニチュアの街を見ている感じ。
中望遠の距離感だと五稜郭タワーも存在感がありますね。いわゆる一般的な夜景撮影に使うことは少ないかもしれませんが、飛び道具的に中望遠・望遠の焦点距離のレンズを使ってみると面白いかも、と感じました。
函館山展望台からの夜景は日没30分後が見頃!
いよいよ日没の時間が近づいてきました。函館山ロープウェイの駅では、その日の日没時間と「夜景になる」時刻を案内してくれます。夜景になる時刻というのはおおむね日没の30分後。いわゆるマジックアワーのクライマックスの時間。街の灯りと空のブルーが楽しめる、最も美しい時間帯。
函館山からの夜景を見るなら、日が沈んでから函館山に登るよりも日が沈む少し前(30分から1時間くらい)に展望台に登るのが個人的にはオススメです。
夜景になる時刻の日没30分後まで、函館の街と空がどのように変わっていくのか時間別に写真を撮ってみました。
日没15分前
日没15分前の空はまだまだ明るく、夕焼けの赤い空が残っています。函館の街もまだ街灯が点いているところはまばら。空が少しずつグラデーションになってきました。
日没時間
日没の時間を迎えました。空はまだまだ明るく、街の灯りもぽつぽつと点きはじめたばかり。この日没から30分が勝負です!!
日没から15分後
日没から15分が経過しました。空の青が少しずつ深く、暗くなってきました。それにともなって街灯が目立つようになってきましたね。足元に斜めに走るオレンジのラインは、函館市電が走る大通りですね。教会群のライトアップも始まったようです。
日没から30分後
日没から30分。空の美しさと街の灯りの共演!これぞマジックアワーの醍醐味。写真中央右手の光の筋は、函館空港を離陸する飛行機のライトかな。
さすが日本三大夜景の一つ。息をのむ美しさ。何枚も何枚も写真に撮ってしまいました。「宝石箱をひっくり返したような夜景」とはよくいいますが、函館の夜景の美しさはまさに宝石のよう。
これ以上暗くなると、函館の街の奥にそびえる山々のシルエットが写りにくくなるので、写真を撮るなら日没から日没後30分くらいに撮るのが良いかもしれませんね。
もちろん、空がもっと暗くなれば街の灯りがより映えるので、その点は好みによるかと思います。
最後に広角端でも撮影してみました。右下の光跡はロープウェイのライトですね。ブルーのグラデーションの空が広く撮れたのでなかなかお気に入りの1枚になりました。
日没30分が経過して、夜景の見頃の時間がやってきました。展望台には続々と観光客がやってきてかなり混雑してきたので、函館山の撮影はここでお開き。少し後ろ髪を引かれつつ、ロープウェイが混雑する前に下山とあいなりました。
函館山山頂で夜景を撮る時の注意点
今回はじめて函館山の山頂から夜景を撮ってみましたが、函館山の夜景はもう最高の一言。これまで撮影してきた夜景の中でもトップクラスの美しさでした。
撮影したことを振り返ってみましたが、これだけキレイな夜景が見られるので、当然観光客も多く、また北海道ならではの気候の面でも注意するべき点があったなと思います。もしこれから函館山からの夜景を撮られる方は、以下2点にご注意いただけるとよりよい撮影になるのでは、と思います。
■初夏の6月でも夜の函館山は寒い!!防寒は大事!
私が函館山で夜景を撮影したのは2019年6月。日中の気温は20度前半になることもありますが、あくまで市街地での話。標高300メートルを超える函館山の山頂は、6月といえど体感気温が10度ほどになることがあります。
私はタンクトップ・半袖Tシャツの上に長袖のワイシャツを着て、その上に春物のブルゾンを着ていたのですが、もう全然寒い。春の気候じゃなかった。
山頂で風が冷たいこともあり体感温度は思った以上に冷えます。展望台での夜景撮影はひたすら待つばかりなので、体がどんどん冷えていきます。
夏でも長袖はあった方が良いと聞きましたが、初夏や秋のはじめに函館山の展望台に行く場合は、ユニクロのウルトラライトダウンくらいカバンに突っ込んでおいて良いのでは、と感じました。とにかく保温と防寒・防風大事!
■三脚を立てて撮る場合は日没の1時間以上前には到着しないと場所がないかも
函館山の屋上展望台は「日没30分後が夜景の見頃」とアナウンスされていることもあり、日没直前から人がどっと押し寄せます。三脚を使って撮影しようとする場合、日没の時間にあわせて展望台に上がると三脚を立てるスペースがまったく確保できない場合があります。
三脚を使いたい場合は、遅くとも日没の時間になる30分から1時間前には屋上展望台に到着しておくのがよさそうだな、と感じました。
また、展望台のスペースは決して広くないので、三脚の足をすべて伸ばすのもちょっと難しい感じでした。私は三脚の足を1段だけ伸ばして、あとはエレベーター(カメラを乗せるセンターポール)をギリギリまで高く伸ばして、というセッティングにしました。極力スペースを取らずに狭いスペースで三脚を立てるマナーも必要ですね。
屋上展望台の穴場「漁火公園」で撮るのもアリ
もしくは、山頂展望台の屋上ではなく2階からつながっている「漁火公園」は屋上に比べるとスペースが広く穴場スポットになっているとスタッフさんからお聞きしました。ロープウェイのロープが近くに見えますが、函館の街の夜景はバッチリ撮れるそうなので屋上展望台が難しい場合は漁火公園を撮影ポイントとすることも検討されるといいかもしれませんね。
「日本三大夜景」函館の夜景は撮る価値あり
函館山から函館の夜景を撮影してきました。機材的なまとめをすると、広角(15mm~)から標準(35mm)くらいのレンズがあるといい具合に函館の街をおさめられますね。レンズ3本(と三脚)を抱えていったかいがありました。
人の多い展望台ですから、必ず三脚を立てられるわけではありません。三脚を立てる際も極力小さいスペースで済むように調整が必要ですね。
お気に入りのカメラとレンズを持って、日本三大夜景・函館の夜の街を撮りにいってみませんか?よい夜景撮影になりますように。
函館の夜景は展望台だけじゃない。街で見る夜景もステキですよ。
ロープウェイの駅から教会群までは歩いて数分。教会はライトアップしているので夜には美しい姿を見せてくれます。そのまま八幡坂からの眺めを見れば最高の夜になるはず。
夜景を楽しんだらお酒でも。「舶来居酒屋 杉の子」さんは一人でも立ち寄りやすいバー。函館観光の話もいろいろ聞けるかも。