函館の地で聖地巡礼をしてきた話
函館一人旅の中で、はじめて聖地巡礼というものをやってきました。アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」で登場した函館の地を巡りながら聖地巡礼の面白さと奥深さを感じたのでした。なんというか、現地に行くとアニメの見方がまた変わるというか、いろいろな想像が広がりますね。
函館と「ラブライブ!サンシャイン!!」の関係
「ラブライブ!サンシャイン!!」は静岡・沼津の高校で高海千歌を中心とした9名がスクールアイドル(高校生が部活やクラブ活動的な形でアイドルを行うこと)として活動する姿を描いたアニメ。物語は主人公グループである「Aqours」の活動を中心に描かれていますが、そのライバルグループとして登場したのが、北海道・函館の高校で活動するスクールアイドル「Saint Snow」です。
私がラブライブ!サンシャイン!!の世界に完全に引き込まれたきっかけは、このSaint Snowの楽曲だったといっても過言ではありません。
Aqoursの楽曲はアイドル楽曲の王道的な華やかさ、ポップさがありますが、Saint Snowが劇中で最初に披露した「SELF CONTROL!!」はLINKIN PARKの「Runaway」を彷彿とさせるロック×ラップのミクスチャー系楽曲で、聴いたとたんあまりのカッコよさに鳥肌が立ったのを覚えています。
楽曲のカッコよさと確かな実力をもってAqoursの前に立ちはだかる感じ、そして良きライバルとして切磋琢磨していく姿がなかなかに魅力的なのでした。
アニメの中ではそんなSaint SnowとAqoursの1年生メンバーを中心とした函館エピソードの回があり、アニメ内で登場した場所がいわゆる聖地となっています。
今回は函館一人旅に際して、アニメ内でSaint Snowをフィーチャーした函館でのエピソードで登場した場所を巡っていくことにしました。
Aqoursメンバーの足跡をたどる
Aqours一行が函館にいるという最初の描写はJR函館駅に到着したシーンから。アニメでは、ラブライブ!本大会を一足早く決めたAqoursが北海道予選のゲストとして招かれた、ということでAqoursメンバー9名が函館にやってきた、という設定になっています。
このあと、Aqoursメンバーは北海道予選の会場(函館アリーナをモデルにした建物)へと向かいます。
飛行機で函館空港に入った後、まずはホテルに荷物を預けたりするためにバスで函館駅方面までやってきた、という行程なんでしょうね。
劇中では本戦進出が確実視されていたSaint Snowがまさかの予選落ちという衝撃の結末。そんなライバルの姿にショックを隠し切れないAqoursメンバーが函館市電に乗って宿泊先のホテルへ戻るというシーンへ。
はじめてアニメでこのシーンを見た時にはわからなかったのですが、函館旅行に行った後に見直すと市電の行き先が「どつく前」になっているのを発見。
函館駅前から市電に乗って函館アリーナへ向かい、帰りも市電でホテルへ戻っていったのかな。図らずも同じルートを市電でたどりながら「アニメの中の行動もいろいろ辻褄あってるんだな」と思ったり。
五稜郭ではしゃぐ
Saint Snowのまさかの予選敗退の姿をみた翌日、Aqours一行は函館観光へと繰り出します。まずは五稜郭タワーへとやってきました。
アニメの中では雪化粧だった五稜郭。白い五稜郭もキレイなんだろうなぁ。津島善子が「夢にまで見た魔法陣!」と言っていましたが、五稜郭の形には有無を言わせぬカッコよさがありますね。
渡辺曜が敬礼していた土方歳三像。
松浦果南が果敢に乗って、あまりの怖さに玉砕したシースルー床。確かに怖い。劇中で果南が乗った方向と逆の方向で写真を撮っていたことにあとで気づいた。こういうところがオタクじゃない所以なんだよなぁ、と現像しながら思ったのでした。
内浦を思い出す八幡坂
五稜郭のシーンの次は八幡坂から函館の港を眺めるシーンへ。なんとなくの想像ですが、五稜郭から直接八幡坂に来たのではなく、元町の教会群を巡ったあとに八幡坂にやってきたのかな、と。なんせ自らを「ヨハネ」と称する津島善子が聖ヨハネ教会に立ち寄らないはずがない!
「見よ!こここそが堕天使ヨハネを祀る北の総本山(クワッ」くらいはやってたはず。というかやっててほしい。スピンオフで放映してほしい。
八幡坂からの景色を見て松浦果南が「函館は内浦(沼津)と似ている」という発言をしていました。私は夕暮れ時の函館朝市の姿を見て「あ、夕方の沼津港と同じ雰囲気だな」と思いました。漁港や市場の活気と、夕暮れ時の静けさという点は似てるかも。
八幡坂を上り切ったところには函館西高等学校があります。Saint Snowの2人が通う「函館聖泉女子高等学院」のモデルとなった学校です。八幡坂の写真を撮りに来た時にも部活で登校していたと思われる学生さんがいらっしゃいました。
函館西高校は北島三郎さんの母校でもあるんですよね。
鹿角姉妹の実家「茶房 菊泉」さんへ
ラブライブ!サンシャイン!!における函館の聖地。Saint Snowのメンバーである鹿角聖良、理亞姉妹の実家として登場した「茶房 菊泉」さんでお茶をすることにしました。
八幡坂を上り切って、函館西高校を正面に右折して100メートルほど歩くと見えてくる、古い日本家屋を利用したカフェです。大正時代に建てられた、酒問屋の別邸をほぼそのまま活用していてとても趣のある建物。
劇中では、函館観光をしていたAqoursご一行が寒さをしのごうと立ち寄った喫茶店が茶房 菊泉さんで、知らずに立ち寄ったらSaint Snowの鹿角姉妹の実家だった・・・という展開になっています。
劇中でも登場した「くじら汁」と「抹茶」の張り紙がそのまま貼られています。
玄関で靴を脱いでおじゃまするスタイルのカフェで、畳の部屋に座って過ごす時間は田舎のじいちゃんばあちゃん家に遊びに来たような雰囲気。
朝から歩き回っていたので、甘いものでエネルギー補給!ということで、とうふ白玉パフェをいただきました。
おとうふと白玉粉でつくった三色の白玉だんごはもちもちの食感。さっぱり風味のごまアイスと、しっとりしたお手製あんこがよく絡んでこれまた美味。フルーツでさっぱりしながら、もくもくと食べ進めてしまいました。おいしい。
理亞ちゃんのお部屋にお邪魔します
茶房菊泉さんはラブライブ!サンシャイン!!のファンに向けて、劇中で登場した部屋を見学させてくださるサービスをしてくださっています。
パフェを食べ終えてお店の方に「見学してもいいですか?」とたずねると、どうぞどうぞと部屋に案内していただけました。ちょうどほかのお客さんもいないタイミングでゆっくり見学させてもらうことができました。
部屋の中は写真撮影OKですが、一部撮影・SNSへのアップNGとなっている展示物などがありましたのでその点はご注意ください。
Saint Snowの象徴でもある雪の結晶。ちゃんと部屋に飾ってありました。
家具の種類や配置が一部異なるとは言え、劇中で見た理亞の部屋そのもの。
女の子の部屋に遊びにきたときのちょっとした気恥ずかしさ。
理亞の部屋だけでなく、アニメの中のAqoursメンバーやAqoursのキャラクターを担当する声優さんが来店した時に座った場所も紹介いただきました。
お店の方にいろいろと話を伺うことができました。「アニメの舞台になることで、新たな縁ができたりすることが楽しい」ということをおっしゃっていて、すごく感激したのを覚えています。
アニメやドラマなどの聖地は、ただ舞台として登場しただけでなく、実際にその場所に住む方々の受け入れがあって初めて聖地になるんだなー、ということを改めて実感。 Aqoursのメンバーが住む沼津市も、自治体や商店街、街の方々が前向きに携わっていらっしゃるから聖地になっていると聞きます。
また改めて沼津に行きたいな。前回沼津に行ったときはラブライブ!サンシャイン!!の知識ほぼゼロだったからなぁ・・・
入店のタイミングで「ファンです!」といえば、劇中に登場したお部屋に通してくれるんですね。すっかり見落としていたぜ・・・!
お部屋におじゃましたいときはぜひ一言「ラブライバーです!」とお店の方に伝えてください。
忠実に再現された函館の名物たち
ラブライブ!サンシャイン!!には函館名物も数多く登場。ご当地ハンバーガーの最高峰と称される「ラッキーピエロ」での食事シーンもたびたび登場していました。
国木田花丸が食べていた「フトッチョバーガー」の存在感・・・!今回の函館一人旅ではラッキーピエロに寄れなかったので、次回はお伺いせねば。
こちらは函館の名店「ハセガワストア」。劇中ではホテルでハセガワストアの名物「やきとり弁当」を食べる(食べようとしている?)シーンが描かれていました。
海苔ごはんの上に乗った3本のやきとり!函館ではやきとりは「豚肉」を指しているので、やきとりといいつつ豚肉が乗っています。
タレがかかった豚肉と海苔ごはんの相性が400%でめちゃ美味い。ベイエリア店ではイートインコーナーがあるので、お店の中で食べられるのもうれしい。
(劇中では食べる前にルビィちゃんに呼ばれたから、そのあとは食べたかどうかが覚えていないずら・・)
アニメに映らない部分を想像しながら巡る
3年生の卒業が迫り、姉・黒澤ダイヤとスクールアイドルでいられる時間は残りわずか。離れたくないという気持ちをぶつける妹・黒澤ルビィ。そんな感動的なシーンはベイエリアに面したベンチ・・・ですが、現在は一帯の改修工事に伴いベンチは撤去されていました。 いつまでも あると思うな 聖地とベンチ(字余り)。
ルビィが理亞をベイエリアに連れ出して「グループの垣根を越えて、姉に向けて一緒に歌おう」と提案するシーンは赤レンガ倉庫の前でした。冬の日暮れは早いですが、写真に撮ったような光景だったのかも。
ルビィをはじめ1年生組3人が「(曲を完成させるために)もう少し函館に残る」という話を他のAqoursメンバーに持ち掛けたのは函館空港の前でした。
これ、最終日は学年ごとに自由行動なのか、1年生組だけ別行動で函館空港集合だったのか・・・他のメンバーはどこを周っていたんだろう。はたまた全員で函館空港に向かったんだけど函館空港で「やっぱりまだ帰らない!」と言ったのか・・・むむ。
実際にアニメの中で起こった出来事や行動をたどってみると、描写されなかった場面にも想像が働くようになるんですね。
曲を完成させた1年生トリオ+理亞。姉に贈るための歌を披露する舞台として函館のクリスマスイベントへ参加することに。クリスマスイベント参加の出演者選考会場となったのが旧函館区公会堂です。明治時代に建てられた洋館ですが、2018年10月から2021年4月までの間は大規模補修工事のために見学することができません。
函館には多くの歴史的建造物がありましたが、私たちのような観光客が訪れて見学できるように保持することがどれだけ大変なことか。保持してくださっている方々へ改めて感謝をしたいです。
緊張に打ち勝って「クリスマスライブで大切な人のために歌いたい」という意志表示をするルビィと理亞の姿は何度見ても涙腺が緩む。この記事を書くためにバンダイチャンネルで函館回を見直したのですが、やっぱりうるうるするんですよねぇ。
ちなみに旧函館区公会堂は劇場版ラブライブ!サンシャイン!!でも登場しています。そのシーン、泣いたなぁ。。。
劇場版 挿入歌シングル第3弾「Believe again/Brightest Melody/Over The Next Rainbow」CM
選考会のあとに1年生+理亞が立ち寄った船見児童公園にも行ってきました。選考会会場の旧函館区公会堂から歩いて5分ほどの場所にあるのですが、住宅街の奥にある小さな小さな公園で「本当にここでいいのか・・・?」とスマホの地図を頼りに行ってみたら、アニメの通りの公園がありました。
劇中では選考会でのプレゼンをねぎらいつつ本当に参加できるかな・・・というシーン。鹿角姉妹の実家である茶房菊泉とは逆方向にある公園ですが、4人とも選考会のときに涙して目が赤くなっているから、聖良さんに変に感づかれないようにわざわざ家から離れた公園にクールダウンに行ったのかもなー、とか。
(マルが食べてた中華まんはどこで買ったのだろう・・・)
「Awaken the power」
姉に贈る曲を完成させたルビィ、理亞がそれぞれの姉を呼び出したのは函館山展望台。今じぶんたちができる精一杯の輝きを大切な姉に披露する・・・そんな素敵なプレゼントをする場面。ほかのAqoursのメンバーも再度函館にやってきました。
展望台のラストシーンでは、函館の夜景に向けてAqoursとSaint Snowの11名が両手でハートマークを作っているシーンが流れましたが、実際にやるにはちょっとお客さんの数が多すぎるかな・・・?(私にはできなかった・・・)
夜の八幡坂、クリスマスライブの舞台。合同ユニット「Saint Aqours Snow」として11人のライブを披露した場所。披露された楽曲「Awaken the power」のMVでは石畳にプロジェクションマッピングが映し出されていて、さらに華やかになっていましたね。
Saint Aqours Snow『ラブライブ!サンシャイン!! 』TVアニメ2期 第9話 挿入歌「Awaken the power」60秒CM
クリスマスではないですが、夜の灯りに照らされた八幡坂はこんな感じだったのかも。
私がそれぞれのスポットに行った順番はバラバラなのですが、撮った写真をアニメ内の時系列に沿った形に並び替えて振り返ってみました。
現地に行ってはじめてわかることがある
アラフォー男子、はじめての聖地巡礼。
ラブライブ!サンシャインの劇中に登場した函館の聖地を巡ってみました。
ネット全盛の社会でスマホやパソコンである程度の体験は仮想体験できるようになっている現代。
それでも、現地に行くという体験はなにものにも代えがたいものですね。現地に行ってはじめて理解できることがあるし、現地で同じ体験をすることでアニメの少し奥側まで想像できるようになった気がしました。これが聖地巡礼か・・・!楽しい!
今度は沼津・内浦にも行ってみたいですねー。
ラブライブ!サンシャイン!!要素ほぼなしの沼津散策はコチラ。