ネコと夜景とビール

Nikonのデジタル一眼レフで撮影した写真を掲載しているブログです。路地ネコ、ジャンクションなどの夜景、限定醸造ビールの写真を中心に載せています。

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埼玉に建てられた台湾の寺院「五千頭の龍が昇る聖天宮」に行ってきた

埼玉・坂戸にある台湾系道教の寺院へ

 

日本国内に台湾の寺院が建立されているのを皆さんはご存知でしょうか。埼玉・坂戸に建立された台湾系道教の寺院「五千頭の龍が昇る聖天宮」通称聖天宮(せいてんきゅう)に行ってきました。埼玉に台湾があった......!台湾行ったことないけど、ここは台湾。

 

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東武東上線「若葉」駅から徒歩20分、または「川越」駅から若葉駅行のバスに乗って約40分。田畑が広がるのどかな郊外、という場所にいきなり登場する極彩色の門!めちゃくちゃインパクトあります。

 

それにしても、なぜ埼玉に台湾の寺院が?という疑問がありましたが、聖天宮の案内パンフレットに答えがありました。

 

台湾生まれの貿易商、康國典氏が大病を患った際に道教のご本尊である「三清道祖」のご縁で完治。そのお礼にお宮を建てようとしたところ、建立の地としてお告げがあったのが台湾ではなく日本。それも埼玉の坂戸のこの地に「聖天宮」という名の寺院を建てるべし、というお告げがあってここに建立されたのだとか。

 

当時は雑木林で何もなかった場所に、台湾から一流の宮大工を呼び寄せ、なんと15年かけて開廟されたという聖天宮。確かに、門に装飾された彫刻のディテールが半端じゃない......!圧倒的な「本物」というオーラを感じます。

 

聖天宮の入り口にあたる「天門」で拝観料を支払い、中に入るとこれまた立派な「前殿」がお出迎え。屋根の両サイドの彫刻が圧倒的な存在感を放っています。

 

前殿は壁がガラス張りになっていて、ガラス越しに本殿が見えるようになっています。

 

回廊や天井の装飾も美しく、どこを見てもカラフル。

 

天井の装飾も信じられないくらい凝ってますね......

 

前殿から中庭に出て、正面に建つのが聖天宮の本殿。今回、聖天宮に来ようと思ったのは「本殿を見たかった」からなのです。

 

日本にいながら異国情緒のある聖天宮、撮影場所として使われることも多いようで数多のアーティストがMVの撮影で使用しているそうです。その中で、私の好きなバンドのひとつである空想委員会の「難攻不落ガール」のMVにも聖天宮が使われていました。どことなくアジアンなテイストのある楽曲と、MVに登場する少林寺拳法ガールの姿が聖天宮の本殿にすごくマッチしていて、ずっと印象に残っていたんですよね。

 

と言っても、この場所が聖天宮と知ったのはつい最近。空想委員会のボーカル・三浦隆一さんが2023年4月にがんで他界したと知り、追悼の意を込めてYouTubeでMVを見ていたときに「ロケ地は聖天宮」というコメントを見かけたのでした。

空想委員会で一番好きな曲だ。三浦委員長、どうか安らかに。

 

Lightroom Crassicで空想委員会のMVっぽく現像。MVの方はややローポジションからあおり気味で撮っていたんだな。この画像は会社のTeams会議の背景にします。目指せ難攻不落リーマン。

 

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本殿の前の石畳もいいですよね。どことなくドラゴンボールの天下一武道会の会場を思い出す。

 

本殿では聖天宮の説明を聞くことができます。本殿を見上げれば「太極天井」という、陰陽が渦を巻く天井が。それ以外にも一段と豪華な装飾が目を引きます。

 

日本の寺院だと本殿の撮影はご遠慮、というところが多いのですが聖天宮は決められた場所であれば撮影OKというのが、カメラ好きとしては嬉しいところ。

 

ちなみに本殿では台湾式の参拝を体験することができるそうです。説明員の方がお参りの作法を説明してくださるので安心。

 

本堂から振り返って見る中庭と前殿も見事。屋根の装飾が空に浮かび上がるようで美しい。龍の髭の先端から尾の先まで神経が通っているような。

 

聖天宮の休憩スペースには、なんと台湾のお菓子や飲み物の自動販売機が設置されていました。タピオカミルクティーやパイナップルクッキーなどに加えてピータンまで売ってる!やはりここは台湾だ。

 

至るところに龍がいる

「五千頭の龍が登る聖天宮」の名の通り、宮内には至るところに龍がいます!本殿前の中庭にはまるで「ドラゴンボール」で神龍が呼び出されたかのような迫力の龍の彫刻が。よく見ると中心の龍だけでなく、何頭もの龍が複雑に絡んでいるような構図になっています。

 

九頭の龍が絡み合うように彫られた「九龍網」。一枚の岩から彫られている......?どういうこと?(困惑)

 

龍だけでなく、装飾も全て一枚の岩から掘りだしているなんて、ちょっと信じられない。

 

本殿を守るように配置された龍頭の彫刻。髭やたてがみ、鱗の立体感や、今にも動き出しそうな躍動感が素晴らしい。素人が見てもわかるすごさ。

 

本殿には石で造られた柱が。龍だけでなく馬に乗った人もいますね。めちゃめちゃ細かいお仕事。

 

龍と鳳凰が舞う「龍鳳柱」。これも一本の石の柱から彫られているなんて、ちょっと信じられない......(2回目)。

 

台湾の宮大工恐るべし。

 

彫刻だけでなく、絵画などにも龍がたくさん。回廊の天井にも龍の装飾が施されています。

建物内のタペストリーも龍。

 

これまた一枚の石から彫り出したという龍の石板。RPGなら重要なアイテムかモンスター登場しそうな迫力。

 

屋根の上にも龍がたくさん。そして色鮮やか。これは確かに五千頭の龍がいてもおかしくないですね。子どもと「龍を何頭見つけたか」ゲームができそう。

 

台湾の雰囲気の中でコスプレ撮影もできる!

聖天宮の面白いところは、予約をすればコスプレ撮影ができるというところ。プロのミュージシャンだけでなく、一般のユーザーも事前申し込みをすることでコスプレの撮影をすることができるのだとか!

 

男性の女装はNGだったり、神前なのでへそ出しNGだったりとドレスコードやNGラインはありますが、しっかり守れば楽しいコスプレ撮影になりそう。

 

台湾・コスプレ・・・イーアルカンフーか?(肌の露出が多いのでNG)

 

 

 

寺院を囲む回廊も程よく自然光が差し込んで雰囲気あります。バリアフリーに配慮した手すりがあったり、コンセントがあったりしますが、上手く構図で隠せたらよりリアリティ高まりますね。いや、すでに本物の寺院だからリアリティはあるんだけども。

 

回廊に置かれた椅子に座るだけで、台湾の空気を纏えそうな雰囲気。

 

極彩色の寺院という素晴らしいロケーションで撮影、楽しそう。

 

鐘と太鼓を鳴らすための塔にも登ることができるので、撮影シチュエーションも豊富そうですね。

 

一度聖天宮でコスプレ撮影してみたい......!誘われたら二つ返事で撮りに行く気がする。

 

埼玉・坂戸の「五千頭の龍が昇る聖天宮」、私は台湾に行ったことはないのですが、それでも圧倒的に台湾感を感じる場所でした。また、写真好きにしてみたらどこにカメラを向けても被写体になる場所でめっちゃめちゃ楽しめました。聖天宮でのコスプレ撮影は体験してみたい!

 

アクセスは決して良くはないですが、川越駅から聖天宮近く(「戸宮交差点前」停留所)までバスで来られるので、川越観光と合わせることもできるっちゃできるかな。小江戸・川越とリアル台湾・聖天宮をセットで楽しめるのはちょっと面白いかも。

 

台湾好き、カメラ・写真好きの方にはぜひ一度足を運んでみてほしい「五千頭の龍が昇る聖天宮」でした。