
2026年のゴールデンウィークも、名古屋にある奥さんの実家に帰省しておりました。帰省に際して、今回も愛知県内を中心にいろいろと出かけたのですが、私の中でのメインミッションは、豊橋に行くこと。ということで、愛知県・豊橋へと出かけてきました。
「なぜ豊橋か?」というと、最近ハマっているライトノベル作品「負けヒロインが多すぎる!(通称:マケイン)」の舞台が豊橋だから。年末年始に竹島水族館を訪問した際に「負けヒロインが多すぎる!」のコラボ企画が実施されていた際に作品を知ったのですが、その面白さにすっかり魅了されてしまい「これは聖地豊橋に行くしかないな!」となった次第です。
読みやすくて面白くて、久々に活字を楽しんでいる気がします。
蒲郡・竹島は原作6巻で登場しました。
名古屋にはよく行っていて、すぐ行けるはずなのに、実は行ったことがなかった豊橋。聖地巡礼にかこつけた豊橋散策を楽しんできました。

名古屋から豊橋には、東海道新幹線・JR在来線・名鉄のいずれかでアクセス可能。私は名鉄を使って豊橋へと乗り込みました。なんでも名鉄では「なごや特割2土休日」というチケットがあり、ほぼ片道分の値段で名古屋ー豊橋の往復切符が買えるという破格の値段設定。めちゃくちゃありがたい……!
なごや特割2平日・なごや特割2土休日|でんしゃ旅・おトクなきっぷ|名古屋鉄道

駅直結のペデストリアンデッキに出ると、アニメで見たことある風景が目の前に広がっていました。ここが豊橋……!スペースシャトルのオブジェはアニメのオープニングで飛び立っていきますが、しっかりお出迎えいただきました。作品の空気に触れられたような気がして、まずこの風景が見られたのが嬉しい。

豊橋に到着して、まずは景気づけに一杯。駅ビル併設のカフェ「ウーノ・ウーノ」でコーヒーをいただきます。

空いているカウンター席に適当に飛び込んだところ、アニメで焼塩檸檬が座っていた席だったことに後で気づくなど。ペデストリアンデッキの往来を眺めながら、作品の世界に少しずつ浸っていく感覚。

ここからは、原作に登場した場所を巡るために、街中を歩いていきます。
まず向かったのは「精文館書店本店」。駅近くの繁華街にある立派な本屋さん。本を買ったり待ち合わせをしたりと、原作でもたびたび登場する書店です。1階フロアに併設されているマクドナルドも原作に登場する舞台のひとつ。


ポスターやPOPの展開はもちろん、関連書籍やグッズの展開量も半端じゃなかった……!東京じゃ見たことない量のグッズが並んでいました。さすが聖地。
なぜキャラクターのイラストと一緒に、ラッコやちくわの本が並んでいるんですか……?

精文館書店の脇を通る「ときわ通り」も、原作の雰囲気を色濃く感じられるアーケード商店街。原作に登場するクレープ店は長い行列ができていました。作品の登場人物たちの生活の様子が伝わってくるよう。



アーケードには八奈見杏菜、焼塩檸檬、小鞠知花のフラッグが掲げられています。結構デカい。2026年5月で「負けヒロインが多すぎる!」フラッグがいったん(?)見納めだったようで、その前に実物を拝むことができました。


ときわ通りを抜けてそのまま進んでいくと、ケーキ・ティールーム「マッターホーン」が見えてきました。原作でも何度か登場している、豊橋でも老舗の洋菓子店。持ち帰りだけでなくイートインもあるんですよね。それにしても朝からお客さんが多い!地元の方々に愛されていることが伝わってきます。

こちらは見るからに老舗とわかる、「うどんそば処勢川本店」さん。こちらも原作8.5巻に登場してから一躍聖地としてファンが来ているのだとか。店構えがいい。店構えからして美味しそうなのがわかるというか。

原作を読んで、どうしても実際の場所を見てみたかった場所。それが花園商店街です。
我にかえって周りを見ると、どことなく見覚えのある場所だ。この地面の石畳は……。
「ここって花園のあたりだっけ」
「ええ。ご存じなんですか?」
引用:雨森たきび「負けヒロインが多すぎる!」8巻 P70(書籍版)
主人公である温水和彦が、同級生の馬剃天愛星(ばそりてぃあら)の家に向かう道すがらのワンシーン。足元が石畳に変わることで花園商店街に気づく、という本当にちょっとした描写なのですが、妙に印象に残っていて。実際に見てみたいな、と思って行ってみました。

実際に行ってみると、石畳が途中からカラフルなデザインに変わっています。温水くんもこのあたりで気づいたのかな、なんて思ったり。
文字で表現された情報を実際に見てみると、解像度がグンと上がりますね。

文字で読めば「古い商店街」という一文で終わってしまうのですが、実際に訪れることで時間の流れや雰囲気がつかめて、原作の世界に自分も入り込んだような気持ちになれます。ここは来られてよかった。
豊橋という街の雰囲気をひとつ掴めたような気がしました。

駅近くの繁華街あたりをぐるっとして、駅前の通りに戻ってきました。アニメ一期屈指の名(迷?)シーン。八奈見さんが「浮気だよ!」と言い放ったのは「ボン.千賀」さんのイートインコーナー。
実際立ち寄ってみるとなかなかクラシカルな店構え「ここで温水くんと八奈見さんはお茶してたのか……」なんて感慨深かったり。実際に地元の高校生って、こういうところでお茶したりするのかな。

続いてやってきたのは「水上ビル」。もともと農業用水だった上に建てられた3棟のビルで、全長は800メートルもあるのだとか。

ビルの側面には、様々なイラストが「壁画」としてプリントされていて、ファンの方が楽しんでいるそうです。私が訪れたタイミングでは、JR東海のキャンペーンで「ウルトラマン」のプリントが施されていました。

画になるなぁ。

水上ビルでの目的地は「珈琲とカヌレ」さん!原作3巻、アニメ8話に登場した、おしゃれなカフェです。その名の通り、カヌレが美味しいと評判のお店。水上ビルの雰囲気も感じたくて、ぜひ立ち寄りたかったお店です。
ちなみに、ここまでいくつか「聖地」として触れているお店を見て、お気づきの方もいるかもしれませんが「負けヒロインが多すぎる!」の聖地と呼ばれる場所は、飲食に関係する店がとにかく多いのです。そしてメニューのボリュームがすごい。40代も後半に差し掛かり、食べる量が減ってきた私にとって、豊橋は(胃袋の大きさを)試される大地と化したのです……。
ということで、軽めに食べられるものをチョイスして回ることにしました。

開店時間直後に立ち寄ったこともあって、カヌレは焼き立て!外側はカリカリ、中はトロっとふわふわ!口の中で優しい甘みが広がります。こ、これは美味い……!カヌレってたぶん初めて食べたと思うのですが、こんなに美味しいものだったとは。

カフェラテも美味。カヌレの優しい甘みを邪魔しない味わい。

カヌレとあわせてフロランタンもいただきました。タルト生地のサクッとした食感とキャラメルのような食感が合わさって、歯ごたえが心地よいですねー。ほんのり紅茶の風味があるのかな。これも美味しい。
珈琲とカヌレさん、ステキなお店でした。

カヌレとカフェラテを堪能したあとは、水上ビルの軒下をぷらぷらと歩いてみました。レトロな雰囲気の中には、長らく営業しているであろうお店もあれば、若く新しいお店もオープンしています。歴史ある建物に新しいお店が入っているのはなんだか嬉しいですね。

「花職人和び咲び」さんは水上ビルで10年続くお花屋さん。アニメのオープニングでもこの場所が映っていました。

その影響もあって、作品のバッジがたくさんディスプレイされていました。

いろいろなところで作品の幟やポスターを見かけます。
「豊橋で負けて輝け、マケインたち!」というコピーが素敵。「豊橋」の名を掲げているのがいいなぁ。

水上ビルは作品の聖地というだけでなく、また遊びに来たい場所でした。

豊橋駅へ戻ってくると、いろいろなところで人だかりが。この日は「とよはしアートフェスティバル」と称して、駅周辺の各所で大道芸が繰り広げられていました。
大道芸に集まる人……の向こうに見える「タリーズ」もまた、原作に登場した聖地のひとつ。

豊橋駅に隣接する「新豊橋駅」から豊橋鉄道に乗り込んで、次の目的地へ。豊橋鉄道って名鉄の子会社なんですね。

豊橋から渥美半島の真ん中あたりを結ぶ豊橋鉄道。どこかで見たことのある車両……と思ったら東急から譲り受けた車両らしい。

新豊橋から乗車時間はおよそ6分。目的地の「愛知大学前」駅で下車します。目的地は愛知大学……ではなく、温水くんたちが通う高校のモデルとなった学校です。

線路沿いの歩道も聖地ですよね。原作2巻のエピローグはこの場所が書かれていたんだな――と感慨深くなります。

作中で登場キャラクターたちが通う「ツワブキ高校」のモデルとなっている、愛知県立時習館高等学校。まさに作品の舞台の中心と言える場所でしょうか。

アニメでも見たことある門構え。ゴールデンウィークということで通学する学生さんはほとんどいませんでしたが、グラウンドからは部活中と思われる声が聞こえてきました。

原作でも何度か登場するボードゲームカフェ「デジャナ」さん。学校の通り沿いのビルにお店があったんですね。勝手に脳内で補完すると一軒家みたいな場所だと思って読んでいました。

作品のはじまりとなった舞台「ガスト」。主人公である温水和彦が、学校から少し離れた場所にあるこのガストでラノベを読んでいるシーンから物語が始まりました。
実際に学校からこのガストを目指そうと大通りに沿って歩くと、結構下り坂がキツいし、歩道のない道だったりするし……結構な道のりでした。多分この道じゃないな。
このガストが作中に書かれたガストだとすると、帰りに豊橋鉄道の駅に向かうのが上り坂で大変そうだな……バスで豊橋駅まで出るっていう手もあるかもしれないな……など、作品の進行には全く関係のないところまで想像が広がりました。
実際に足を運んでみると、原作やアニメには描かれない行間を想像で埋められるようになって、作品への没入感が増すな、ということを感じます。

バスで豊橋駅へと戻り、次は「豊橋鉄道市内線」いわゆる路面電車で移動します。一度乗ってみたかった!

市電を降りたのは「東八町」停留所。主人公の温水くんの自宅最寄りの停留所と描写されていたので、温水くんの生活圏を歩いていこうという試みです。

もともとこの辺りは「吉田宿」として栄えていたということで、交差点には当時を思わせる常夜灯が建てられていました。そうか、ここは東海道か。

国の重要無形民俗文化財に指定されている「豊橋鬼祭」。その舞台となる安久美神戸神明社へ立ち寄ってみました。
なんでも祭りのクライマックスで赤鬼が白い粉とタンキリ飴を撒き、訪れた客は真っ白になりながら飴をなめるとご利益がある、という、まさに奇祭。
原作でも5巻で鬼祭に関する描写があるので、どんなものなんだろうと立ち寄ってみると……

赤鬼、怖い……。これはうちの息子くんは間違いなくビビって逃げ出す。むしろ私もちょっとビビる。

1000年以上続くという鬼祭、なんと現在はアプリで鬼の居場所がわかるようになっているのだとか。すごい!
これは一度体験してみたいなぁ。

「負けヒロインが多すぎる!」ファンの方々がこぞって訪れる場所のひとつが、豊橋市役所。エントランス前の垂れ幕にも八奈見さんがデカデカと。

市役所の入り口を入ったところには、キャラクターの幟やポスターが何枚も展開されていて、市を挙げて応援・サポートしているのを実感できました。

13階にもポスターの展示に加えてファン交流の応援ノートが設置されていて、多くのファンが来訪していることが伺えます。
それと、市役所13階にはレストランがあって、原作4巻に登場していました。隙あらばお昼でも……と思っていましたが、行列のできるレストランでした。隙などなかった。

市役所の13階は展望フロアも兼ねていて、豊橋市内を一望することができます。こちらは豊橋公園が見えますね。ブルーシートが貼ってあるところは、新アリーナの建設予定場所なのかな。B LEAGUEも見に来たい。豊橋に来る口実が増えるぜ。

自然が近くて、程よく都会で、街歩きが楽しくて。豊橋、いい街だなぁ。

カヌレを食べてから3時間ほどが経過して、そろそろ空腹が……。豊橋駅方面へと向かいつつ、どこかで昼食が取れないかと画策。
たどり着いたのは、豊橋市役所からほど近いラーメン店「カドワラ」さん。原作8.5巻で八奈見さんが食べ歩きで訪れた店舗として、マケインファンが多く訪れています。Xのタイムラインにはカドワラ訪問を告げるポストが度々流れてきます。そして皆さん、食べている量が半端じゃない。ラーメンに、唐揚げに、小ライスに、替え玉……?
しかも、原作ではこれらを平らげた後にラーメン店をハシゴする描写が……。ウソだろ……?
私がカドワラさんに到着したのは13時30分ごろでしたが、まだまだ行列は途切れることなく続いていました……。無念。次は肉塩ラーメン食べてみたいぜ。

「こりゃお昼はありつけないかもなぁ……」というタイミングで通りかかったのが、ご存じちくわの「ヤマサ」さん本店。江戸時代創業という、超老舗のちくわ屋さん。
原作はもちろんのこと、アニメ第一話で八奈見さんがヤマサのちくわを豪快に齧るシーンは衝撃的でした。

持ち帰りのお土産しか売っていないのかな……と思っていたら、ホットスナック的に食べられる練り物が!!喜び勇んで盛り合わせセットを注文して、店内でいただくことに。
もう、美味いのひとこと。風味が口いっぱいに広がって、旨味がすごい。ちくわとか練り物ってこんなに美味しかったっけ……。

磯辺揚げ、美味しかった……。

店内には「負けヒロインが多すぎる!」のパネルの他に、ファンアートが多数飾られていました。なんでも、ヤマサのスタッフの方が描かれているのだとか……。クオリティが高すぎる!


アニメに関連した形で練り物セットが売られているのも面白い。こういう老舗のお店が率先して作品とのコラボを進めているのが、作品が地域に根付いてきていることを感じますねー。
ヤマサのちくわをゲットして、この日の豊橋散策は終了。名鉄に乗って名古屋へと戻ったのでした。
豊橋、楽しかった
今回は豊橋駅周辺を中心に「負けヒロインが多すぎる!」に登場した場所を巡るように散策してきました。いわゆる聖地巡礼という形ではありますが、豊橋の街そのものが魅力的で、非常に楽しい街歩きでした。
聖地巡礼という話で言えば、回れていない場所がたくさんあるんですよね。豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」や地下資源館をはじめとした公共施設。ロジャーのクレープも食べてないし、勢川本店も行ってみたい。
聖地巡礼はまだまだ楽しめそうです。2026年7月には原作第9巻も発売されますし、アニメ2期の公開時期も気になるところ。豊橋を中心に「負けヒロインが多すぎる!」はまだまだ盛り上がりそうですね!