ネコと夜景とビール

Nikonのデジタル一眼レフで撮影した写真を掲載しているブログです。路地ネコ、ジャンクションなどの夜景、限定醸造ビールの写真を中心に載せています。

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栃木に残る歴史的産業遺産・野木町煉瓦窯を見学する

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栃木に残るホフマン式煉瓦窯

 

栃木・野木のひまわりフェスティバルからの帰り道、同じ野木町にある野木町煉瓦窯を見学しに行ってきました。ひまわりフェスティバルの会場から車で5分ほどの場所にあります。

この建造物は明治23年に完成したホフマン式煉瓦窯と呼ばれる煉瓦を焼く窯で、16角形の建物の上に高い煙突が伸びる、印象的な形の建造物です。日本最古の煉瓦窯にして国の重要文化財であるこの煉瓦窯の内部に入って見学ができるのです。

最盛期には日本に50基ほどのホフマン式煉瓦窯があったそうですが、このように遺構として現存するのはわずか4基。しかもこのように完全な形で残っているのはこの野木の煉瓦窯だけという、とても貴重なものなんですね。

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見学ができるように部分部分修復や補強がされていますが、ほぼほぼ当時のままの姿を残している煉瓦窯。明治から昭和にかけての日本の近代化を支えた偉大な歴史を誇る窯を見学します。

 

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見学料は100円で、内部見学には地元ボランティアのガイドの方がついてくださいます。煉瓦窯の歴史から栃木・野木の歴史を絡めて当時の様子や窯の使われ方を丁寧に説明してくれます。

ちなみにこの日はひまわりフェスティバルということで、ガイドさん着用のTシャツは野木町のキャラクター「のぎのん」のカワイイTシャツでした。

 

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入り口で説明を聞いた後は、実際に窯の中に入っての見学です。窯の入り口は低く、頭をぶつけると怪我してしまうので、見学の際はヘルメット着用です。 

 

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中では煉瓦を焼き上げる工程を説明していただきました。16区画ある窯の内部では、煉瓦を焼き上げたり、乾燥させたり、余熱を冷ましたりと区画ごとに異なる工程が行えるので、一つの区画で煉瓦が焼きあがったら次の区画へ、と連続して煉瓦を製造することができるようになっています。

ここで焼き上げられた煉瓦は足尾銅山や日光金谷ホテルなど栃木県内の建造物の他、立教大学の校舎にも使われていたそうです。さらには東京駅の一部にも野木で焼き上げられた煉瓦が使われたとも言われていて、まさに日本の近代化に貢献した煉瓦を生み出した窯なんですね。

 

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煉瓦を焼き上げる時の組み上げ方を再現した模型。窯の一区画では1.5万個の煉瓦を約ことができたそうです。

 

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内部は当時の姿そのままの部分もあれば、耐震のために鉄骨で補強した部分もあります。明治時代から残る煉瓦を現代の鉄骨が支える姿はなんだかカッコイイですね。思わず写真に撮ってしまいました。

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窯の中は決して灯りが多いわけではないのですが、高感度に強いD7500。ISO感度の調整はカメラ任せにしていましたが、しっかり撮れています。

 

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さて、一階の窯部分を見学した後は、2階へと上っていきます。 

 

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2階には火力を調節するために、石炭の粉を窯に投入する投炭孔が等間隔に並んでいます。両脇には石炭を運ぶためのトロッコが走るレールが残されていて、当時そのままの姿を見せてくれます。

 

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窯のシンボルとも言える煙突。大きな八角形の煙突は現在でこそ鉄骨で補強されていますが、当時は組まれた木材で支えられていたのですね。

 

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明治時代の姿そのままに残る煉瓦の足場。その上に自分が立っていると思うと不思議な気分です。こういう歴史を感じられる建物・場所はいいですね。 

 

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ところどころ煉瓦が朽ちているのもまたカッコイイ。ちなみにこの煉瓦窯で東方神起のカレンダーの撮影が行われたり、2階の投炭孔の間ではファッションブランドのカタログ撮影が行われたりと、撮影にも使われているようです。この煉瓦の雰囲気はちょっと他では出せないですよね。東京駅の美しい煉瓦ともまた違う味わい。いやー、いいものを見ました。

 

 

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見学の後はちょっと甘いものでもいただきましょう。この日はひまわりフェスティバルの開催日ということもあり、いろいろなお店が出店していました。 

 

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こちらは栃木は埼玉などで活躍されている移動販売カフェの「カフェシグマ」さん。本格的なコーヒーを淹れてくれて、さらには季節のフルーツを使ったシュークリームも販売しています。奥さん絶賛の美味しさ。コーヒーも優しい味わいで美味しかったです。

 

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私は別のお店で自家製レモネードをいただきました。パウチ袋に氷と自家製のシロップ、そしてミネラルウォーターを注いでできあがり。移動販売ならではのアイディアですよね。そして甘さ控えめのレモネードがまた汗をかいた体に染み渡ります。これは魚リティ高い。また次にひまわりフェスティバルに来たときは、食事をしに煉瓦窯まで来てもいいかも。なんて思ってしまいました。

 

日本の近代化を支えた野木町煉瓦窯。窯の煉瓦ひとつひとつに歴史が感じられる、ステキなスポットでした。アクセスには車があった方が便利かもしれませんね。

 

所在地

野木町煉瓦窯 
栃木県下都賀郡野木町大字野木3324-1