ネコと夜景とビール

Nikonのデジタル一眼レフで撮影した写真を掲載しているブログです。路地ネコ、ジャンクションなどの夜景、限定醸造ビールの写真を中心に載せています。

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秋の岩手・盛岡へ。明治時代から続く邸宅「南昌荘」で紅葉を楽しむ

盛岡「南昌荘」で紅葉を楽しむ

 

11月、一泊二日で盛岡へ行ってきました。

 

時期的に紅葉の見ごろということで、盛岡で紅葉を楽しみたい。事前に検索してみたところ「隠れた紅葉の名所」として「南昌荘」という邸宅が紹介されていました。記事を頼りに行ってみたところ、素晴らしい紅葉を楽しむことができました。

 

南昌荘は盛岡駅から1.5キロほどの距離にあります。歩いてもいいし、バスを使ってもアクセス可能とのこと(詳細は公式サイトを参照ください)。

交通・アクセス|いわて生活協同組合

 

色づいたモミジがお出迎え

南昌荘に到着したのは日曜日の午後2時半。その日はレンタカーで移動していたため、車で南昌荘へとやってきたのですが、併設の駐車場は来場者の車で満車のため停められず...。付近のコインパーキングに駐車して、改めて南昌荘へ。

 

南昌荘は明治時代(1885年)に建築された、築140年を誇る邸宅。当時の実業家や盛岡市長など、幾人かの手を経て、昭和62年にいわて生活協同組合が所有することになり、現在に至っています。なんでも、南昌荘の土地を大手マンション業者が買収し、マンションを建てるという話が上がったことを受けて、南昌荘を残すために生協として所有することを決めたのだとか。

 

黄色に染まったモミジが玄関前でお出迎え。玄関前の灯篭といい、建物の入り口から風情がありますね。

 

入口で靴を脱いで、お屋敷にお邪魔します。入園料は大人400円、小中学生が200円となっていました。

 

順路に従って進むと、掛け軸が飾られた「水月の間」という部屋へ案内されました。ガラスの向こうには庭園のモミジが一面に広がっています。

 

ガラス戸の向こうに見える木々が鮮やか。こう見ると、モミジの赤と黄色だけでなく、松などの緑も目立ちますね。

 

ガラス戸の格子に区切られたモミジ。ステンドグラスみたいでキレイ。

 

立派な庭園で紅葉を満喫

屋内から庭園を眺めるだけかな、と思っていたのですが、縁側から庭園に出られるようになっていました。

 

庭園に降りてみると、モミジが覆いかぶさるように広がっていて、ものすごい迫力!赤や黄色に色づいたモミジと緑の葉がグラデーションのように重なり合っていて、ただただ美しいのひとこと。

 

運がいいことに、ちょうど紅葉の見ごろのタイミングだったようです。モミジの葉もキレイな姿を保っていて、秋らしい1枚が撮れました。次のカレンダーの候補になりそう。

 

敷地の広さは約1,100坪ということで、サッカーコード半分くらいの広さ。程よい広さの庭園に紅葉する種類の樹木が植えられていて、色づいたモミジにぐるっと囲まれているような感覚になります。

 

どこにカメラを向けても絵になる。背景暗め×黄色いモミジは星みたい。

 

ここ数年、東京の都心部ではモミジの色が変わっていく姿を堪能できる機会が少なくなっている感があります(私の狭い行動範囲ではなおさら...)。葉の色が変わるのは12月に入ってからで、場所によってはクリスマスのイルミネーションと紅葉を同時に楽しむことになったりしていて、紅葉=秋という感じが薄れてきているんですよね。11月にこれほどキレイな紅葉を楽しめることが、秋を感じられてなんだか嬉しく思います。

 

庭園には撮影と思しきカメラマンさんとモデルさんがいらっしゃいました。このロケーションとお着物の相性がとても良さそう。

 

こちらの建物前は黄色い葉が目立ちます。キレイ。

 

和の邸宅とモミジの相性も抜群。

 

建物の足元に設置されているのは、ライトアップ用の照明。紅葉の季節はライトアップイベントを開催しているそうで、日の入りの時間から夜7時30分まで楽しめるのだとか。うう、行ってみたかった...(この日は食事の予約を入れていたので断念...)。

 

「南昌の間」の床もみじ

庭園から再びお屋敷にあがって「南昌の間」と呼ばれる大広間へやってきました。庭園に面した縁側からは、色鮮やかな景色が目の前で楽しめるようになっています。そして、よく磨かれた床板に外のモミジが映りこむ姿が美しい...!「床もみじ」とも呼ばれる理由がよくわかります。

 

黄葉が床板に溶け込んでいるかのよう。ウォーターフロントの夜景が水面に映り込んでいる姿にも似ています。

 

「南昌の間」がある建物は高床式で、南昌の間が中2階になっているんですよね。そのため、目の前にモミジの葉が見られるところが、美しさを引き立てている要因なのかもしれません。

 

赤いモミジの色が黒い床板に浮かんで艶やかな色合いに。

 

歴史を感じさせる調度品も雰囲気がありますね。

 

建物の奥には「松鶴の間」という、和室が3つ連なった部屋がありました。こちらも縁側に置かれた椅子に座って庭園のモミジを楽しむことができます。

 

和室には古い座卓が置かれているのですが、黒い天板がピカピカでこれまたリフレクションが美しい...!鏡を置いたような、キレイな写り込み。床もみじならぬ、座卓もみじ。

日が傾いてきて、空気はひんやり。縁側は少し冷えてきました。ブランケットを膝にかけて、もう少しだけこの空間を楽しみたい。

 

ライトアップ前だったからか、ちょうど混雑の切れ間だったのか、思っていたよりも混んでいなくてとてもラッキーでした。邸宅のレトロな雰囲気と紅葉の美しさを堪能することができました。

紅葉の名所として有名な南昌荘ですが、実は新緑の季節も美しく、床板に木々の緑が映りこむ「床緑(ゆかみどり)」が楽しめるのだとか。これはまた別の季節に盛岡に来るしかない...!

 

明治から続く素敵な邸宅「南昌荘」。現代まで残っていてくれて感謝です。