憧れのレンズを買ってしまった
ニコンのデジタル一眼レフを使い始めて12年、これまで8本の交換レンズを手にして使ってきました。中でも単焦点レンズが好きで、24mm、35mm、50mm、85mm、そして105mmマクロと使ってきたのですが「いずれは使ってみたい」という憧れのレンズがありました。それが、2013年10月に発売されたNikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gというレンズです。
当時読んでいたカメラ雑誌でその存在を知り、58mmという中途半端な焦点距離とf1.4という数字が印象に残っていました。そして作例を見ると被写体以外のボケのなめらかさに思わず息を飲んだ・・・そんな記憶がよみがえります。
発売当時の定価は20万を超え、さすがに手が出せず。だってカメラ本体より高いんですもん。ただ、いつかは買いたい・・・いつかは!そんな思いを胸の片隅に置いて、はや9年。
実は、ちょいちょいマップカメラで中古の価格を調べていたのですが、中古となると定価の半額くらいの値段に落ち着いていました。これならなんとか手が出せるかもしれない・・・でもなぁ・・・悩むなぁ・・・
なんていう悩みを見透かしたかのように、私が昨年購入したものの使いこなすことができなかった、105mmマクロの下取り価格がUPするというメールが届き、ついに決断。9年越しに、憧れのレンズ「Nikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」をお迎えしたのでした。
さらば105mmマクロ・・・!そしてようこそ58mm f1.4!
在宅勤務のタイミングでレンズを受け取って、ファーストショットは自宅で撮影したパンダのぬいぐるみ。確かにf/1.4の開放はすごいな。でも、これではちょっとすごさがわかりにくい。もっともっとこのレンズのすごさを体感したい。
ということで、試し撮りを兼ねて散歩に持ち出してみました。
まずは久々に訪れた谷中商店街での1枚。「夕焼けだんだん」を下りていく女性にピントを合わせて撮ってみると背景のボケ加減にびっくり。こんなにボケるのか!
あとは当然AFが効くので、動いている被写体もしっかりつかめます。AF大正義。
こちらは坂道を駆け上がる自転車にピントを合わせましたが、坂道の先に向けてゆるやかにボケているんですよね。これまで持っていたレンズでは、被写体が離れているとここまでボケる感覚がなかったので、ちょっと驚きました。
新レンズでネコさんと遭遇。開放近くで撮っているんでふわっとした描写になっていますが、警戒心はMAXでした。
f1.4と明るいレンズなので、薄暗い場所でもしっかりシャッタースピードが確保できるのがうれしい。
谷中から上野に抜ける道の途中にある「カヤバ珈琲」さんに寄ってみました。店の近くを通るといつも行列ができていたのでスルーしていたのですが、この日はラッキーなことに行列なし。これは行ってみるしかない・・・!
2階の和室に通されて、ラスト1席で空いていた窓際の席に座ることができました。
お冷を撮るだけでウキウキするレンズ。前後のボケに挟まれて、グラスだけが切り出されたような描写。
ほんのり甘いアイスコーヒー。
歩き回ってちょっと疲れた体にしみるあんみつ。ピントが合ったバニラアイスや求肥の質感、いいなぁ。そしてとろけるあんこ。たまらん。
カフェなどで撮るにはちょっと最短撮影距離が長め(58センチ)という感じですが、撮れたときの質感は最高。とても気に入りました。
カヤバ珈琲、ロケーションもステキだし、コーヒーもあんみつも絶品でした。またおじゃましたいですね。
絞りを少し絞ると、ピントが合っている部分の描写がカリッとするんですね。そしてそれ以外はとろけるようなボケ具合。ピントがあっている部分のシャープさは素晴らしいですね。とても好みの描写。
f1.4の開放で撮れば、全体的にふんわりとした描写に。甘いというか、ふわっとした感じで「ど、どこにピントが合ってるんだ・・・!?」というような被写界深度の浅さですが、雰囲気があってポートレートなどにも使っていきたいところ。背景のボケがぐるぐる回っているようにも見えますが、これも割と好みかも。
f5.6くらいまで絞れば銀座の歩行者天国の向こうまでカリッと写ります。
開放のふんわりも好きですが、絞ったときの硬めの描写もとても好き。色の乗り方もはっきりしていていい感じ。
そういえば、2022年10月から3か月限定で「黒い山手線」が走るということで、撮りに行ってきました。このレンズのレビューをいくつか読んでいると「AFはさほど速くない」という記載があったのですが、そんなに遅いとは感じず。少なくともスナップやポートレートには全然問題ないように感じました。
流し撮りも問題なし!
憧れのレンズを使いこなしたい
f/1.4まで開放して撮る柔らかなボケも好き。開放でポートレート撮りたい。
少し絞って撮った時のカリッとした描写も好き。名古屋に帰省したら絞ってスパイラルタワーを撮るんだ・・・!
あとはなによりAF。オールドレンズやマニュアルレンズなど、描写が素晴らしいレンズは他にもたくさんあると思いますが、やっぱりAFは大正義。個人的にマニュアルでピンと合わせるのが苦手(下手・・・)ということもあって、AFであることはとてもありがたいのです。
AFついて、この描写、最高。
深みにはまるレンズ沼。憧れのレンズを手に入れて、いったん行き止まりまで到着したか...!?行き止まりといいつつ、油断するとさらにズブズブ行ってしまうかもしれませんが、今の時点では満足感・満腹感ある状態。
当分はD780とNikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gの組み合わせで生まれる写真を楽しんでいきたいと思います!このレンズでたくさん写真撮りたい!