ドイツ・ケルンの伝統的なスタイル「ケルシュ」
2019年7月9日(火)、サントリーよりクラフトビールシリーズである「TOKYO CRAFT」の新作「ケルシュスタイル」が発売されました。TOKYO CRAFTシリーズは世界のビールスタイルを日本人の嗜好にあわせた味わいに仕立てているシリーズ。いろいろなスタイルのビールを飲みやすい形で提案してくれるビールです。
今回のTOKYO CRAFTはドイツ・ケルンの伝統的なビールスタイル「ケルシュ」をピックアップしています。
ケルシュとは
さて、ケルシュというスタイルのビールですが、ラベルの説明書きにもある通りドイツ・ケルン地方で伝統的に醸造されているスタイルのビールです。フルーティで華やかな香りが特長的なビールになる上面発酵酵母を使用したエールビールとなっています。
本来、上面発酵酵母は高温(20度前後)で発酵を行うことが多いのですが、ケルシュは低温(10度前後)で醸造を進め、すっきりとした風味に仕上げるようなスタイルに仕上げています。そのため「フルーティな香りとすっきり爽快な飲み口」がケルシュの特長なのです。
一般的に低温で醸造を進めるのはラガービール(日本の大手ビールメーカーが醸造しているビールはほとんどがラガービール)なので、エールビールとラガービールのハイブリッドというか、いいとこ取りしたビールなんて評する人もいます。
ちなみに「ケルシュ」という名前を使うためにはドイツ・ケルンで定められた「ケルシュ協定」に調印していなければなりません。ケルンとその隣接地域にある24のブルワリーしか調印していないので、その他の地域でケルシュを醸造しても「ケルシュ風」ということになります。
そのため、日本でケルシュを醸造しているブルワリーは「ケルシュスタイル」として出すことが多いようですね。
意外と存在感のあるホップの風味と爽快な後口
それではサントリーのケルシュスタイルをいただくことにしましょう。グラスに注ぐと少し明るめのゴールドのビールがグラスを満たしていきます。泡立ちがよく、きめ細やかな泡ができてきました。
さっそく一口飲んでみてまず感じたのは思いのほか存在感があるホップの風味。柑橘系の香りがふわっと広がります。苦味はさほど強くありませんが、柑橘系のフルーツを食べたときに感じるようなフレッシュな苦味があります。
飲んだ後のキレがよく、爽快な後口という言葉が確かに合いますね。柑橘系のさわやかな香りと苦味を楽しみつつものど越しがよく、ついもう一口飲みたくなるビール。すっきりと飲みやすいので、まさに夏にぴったり。
ケルシュの本場・ケルンではケルシュを飲むためのグラスまで決められているそうで、200mのシュタンゲと呼ばれるストレートのグラスに注いで飲むのだとか。ケルシュはすいすい飲みやすいので、わんこそばのように次から次へと飲んでしまいそう・・・
フルーティだけどすっきりしていて飲みやすく、普段は大手メーカーのビールしか飲まない方や、飲みやすいビールを探している方にも合いそうなケルシュです。
まだまだ梅雨空が続いていますが、気分は一足先に夏気分になるべく「ケルシュスタイル」を飲んでみてはいかがでしょうか!