ネコと夜景とビール

Nikonのデジタル一眼レフで撮影した写真を掲載しているブログです。路地ネコ、ジャンクションなどの夜景、限定醸造ビールの写真を中心に載せています。

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函館に行ったらぜひ立ち寄りたいバー。「舶来居酒屋 杉の子」には函館のあたたかさがあった

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函館の老舗バー「舶来居酒屋 杉の子」

 

函館に60年続く老舗のバー「舶来居酒屋 杉の子」さんへ行ってきました。お酒と会話を楽しみながら、函館の思い出に彩りを添えてくれる、そんな時間を楽しめるバーでした。

 

杉の子さんは函館駅前の屋台横丁「大門横丁」のすぐそばにお店を構えています。函館市電の「函館駅前」と「松前町」の間にあたるエリアで、函館駅からも歩いて5分ほどの立地になります。

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「杉の子」さんは創業60年。現在の店主のお父様が創業し、数年前に現在の場所に移転してきました。

 

場所の確認を、と開店前にお店に行ってみると、あー、バー、ね・・・?というのが正直な第一印象でした。なんだろう、スナックみたい?それもそのはずというか、移転先となったのはもともとラーメン屋さんだったお店で、少し改装して使用しているそうです。

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函館の夜景を撮り終えてお店に到着したのは夜10時前。普段バーなんてそうそう行かないものですから、入る前は少しドキドキ。ドアからお店の中をうかがうと、多くのお客さんでにぎわっているようです。

 

意を決してお店に入ってみると店内はカウンターだけでなくソファー席があって思ったよりも広々。「こちらへどうぞ」と空いていたカウンター席に通していただきました。

 

カウンターには常連さんとおぼしき男性3人と、仕事で函館に来ていたらしい男女。その合間にちんまりと鎮座する、バー慣れしていないアラフォー男。早く大人になりたい。

 

300種類以上のお酒が楽しめる

「メニューをどうぞー」と出されたメニューに目を通すと、ちょっと考えられないくらいのリストが載っていました。ウイスキーだけで200種類、そのほかスピリッツやカクテルなどをあわせて300種類以上のお酒の名前が並びます。酒好きとしてはメニューを読むだけで心躍ります。

 

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メニューを眺めながら目に留まったのは埼玉・秩父に蒸留所を構える「イチローズモルト」のモルト&グレーン。ここ10年くらいで一気に有名になったジャパニーズウイスキー、一度飲んでみたかったんですよね。

 

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イチローズモルトのモルト&グレーンをロックで。ボディ感は思いのほかライトでほんのりとした甘みを感じるイチローズモルト。グラスを傾けたときの「カラン」という氷とグラスが当たる音が心地良いのです。美味。

 

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ここにないお酒はないんじゃないか、と思うくらい次から次へと出てくるお酒。

 

「こんなお酒もあるんですよー」と出されたのは、あのアルコール「96%」でおなじみのスピリタス。カクテルの材料に使うんだったかな。さすがにストレートで飲むとひっくり返りそうなので見てるだけ・・・

 

私はウイスキーが好きなのですが、よく見かける定番のものから、ちょっと近所の酒屋では見かけたことのないような銘柄までラインナップ。お酒って飲むのも楽しいですが、風味の説明を読みながら味を想像する「想像飲み」も結構好き。

 

とにかくいろんな種類のお酒があるので、飲むだけでなく見ているだけで楽しい。

 

会話を肴にお酒を飲むバー

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バーというと「静かにグラスを傾けてお酒を飲む」・・・というイメージを勝手に持っていました。ですが、杉の子さんはとても賑やか。お店のあちらこちらで会話が弾んでいます。

 

その中心にいる、というかハブになっているのは店主である青井元子さん。オーダーされたお酒を用意しながら、お客さんといろんな話をしています。その流れで知らないお客さん同士が会話で盛り上がったりすることもしばしば。

 

元子さんから「明日はどちらに行くんですか?」と聞かれ立待岬の方へ行ってみようと話すと「近くに谷地頭温泉があって、行くと面白いですよー」と。

 

元子さんがそう話すと、隣で話をしていた男性から「谷地頭温泉はねぇ、とにかく熱いんですよ、お湯が」。カウンターの逆サイドで飲んでいた地元の方らしき男性も「ちょっと前に運営が代わって湯の温度が下がったらしいんだけど、それでも熱い」と。カウンターでにわかに盛り上がる谷地頭温泉トーク。どんだけ熱いんだ谷地頭温泉。気になるじゃないか谷地頭温泉。ちなみに45度くらいあるそうです。

 

「ほかにも絵になるスポットが多いから、いろいろ回ってみると面白いですよ」と元子さんが出してくれた「箱と館」に目を通しながらウイスキーを飲む、楽しい時間。

 

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そんな会話をきっかけに、仕事で函館に来ていた方と「函館いいっすねー」な話をしながら、ゆっくりとお酒を飲んでみたり。

 

はじめて来たのに居心地のいい空間。お酒が美味しいし、なにより人がいいなぁ。一人旅でこんなに会話すると思わなかった。地元の人との会話も一人旅の醍醐味だということをとても実感できました。

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ひとしきり谷地頭温泉トークが盛り上がって、イチローズモルトも飲み終えてしまいそうなタイミングで「もしよければ」と勧めていただいたのはニッカウヰスキーの「伊達」。仙台宮城峡蒸溜所のウイスキーで、現在は宮城県内の酒類販売店でしか売られていないのだとか。 

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こちらもロックでいただくと、まろやかでやわらかい味わい。どことなくチョコレートのような香りがするのかな。ウイスキーの味わいは奥深い。

 

ちなみに余談ですが、店主の元子さんは私の幼馴染みのお母さんと同級生。私が函館に行くと知った同級生のお母さんから「杉の子さんにはぜひ行ってみて!!!」とおススメされていたのでした。その話をすると「高校時代からエネルギッシュで、今もたまに会うけど変わらない」とのこと。確かに・・・

 

美味しいお酒と楽しい会話を楽しんで、そろそろホテルに戻りましょう。ウイスキー2杯飲んで、お値段はまさかの1,300円。めっちゃ安い。チャージ料がないのと、お酒一杯のお値段もかなり安いのがその理由。また今度函館に来た際は必ず再訪しようと心に決めたのでした。

 

函館の良さ、あたたかさがあるお店

函館一人旅で立ち寄ったバー「杉の子」さん。地元・函館の方が多くいらっしゃって、地元に根付いた愛された店だということがよくわかりました。外から来た旅行者にもお店全体であたたかく歓迎してくれている感じがうれしい。杉の子さんでの時間が、2泊3日の函館旅行でいちばん函館に溶け込んだ時間だったように思います。

 

お酒の種類の豊富さと、函館の良さやあたたかさが感じられるお店。函館に行かれた際はぜひ立ち寄ってみてほしいお店です。